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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
10歳のきみへ。
子どもの頃は、放し飼いの犬もいて、舗装されていない道もたくさんありました。犬は電柱や道ばたでオシッコをして、それが普通の景色だった気がします。
20年くらい前かな。大学の入院犬の散歩バッグが作られ、ペットボトルを持ち歩くようになりました。「オシッコに水をかける」という考え方が広がってきた頃です。
さらに数年前には、ペットシートも入るようになりました。オシッコは吸わせるように、ということみたい。
最近では、「散歩前に家で排泄を済ませる」「外ではマナーベルトを使う」という考え方も増えています。
確かに、毎日、自宅の塀や門にオシッコをされると嫌な気持ちになる人もいます。うんちが放置されていたら困ります。「なぜうちの前で」と感じる人もいるでしょう。
でも一方で、犬には「外でしか排泄できない」という子もいます。庭がない家もあります。犬や猫、鳥たちは、本来は自然の中で排泄する動物です。
人には人の事情があり、犬には犬の事情があります。だから、お互いに少しずつ配慮することなのかもしれません。
散歩前に排泄できるよう練習する。うんちは必ず拾う。できれば人の家の前を避ける。困っている人がいることを知る。
そして、犬を飼っていない人も、「動物と暮らす社会」を少しだけ温かく見てもらえたら嬉しいです。
散歩している犬を見ると、なんだか安心するよね。猫を見かけると、「今日はラッキーかも」って思うよね。
人は、自然や動物を大切に思いながらも、つい自分たちの暮らしやすい形に整えたくなる。犬や猫も、人と暮らすようになり、「人間のルール」に合わせることが求められているのかもしれません。
今いっしょに暮らしているウーピーは、昔は家でオシッコができませんでした。だから8時間おきに散歩していました。でも7歳くらいから家でもできるようになりました。
しかも散歩嫌い。
だから、ちょっと助かっています。
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