執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
1. 外科手術(切除)
2. 放射線治療
3. 化学療法(抗がん剤)とQOL
4. 痛みの管理(疼痛管理)
5. 食事・サプリメントとの付き合い方
動物とご家族に合った治療を選ぶために
腫瘍の治療にはいくつかの選択肢があり、それぞれに利点と欠点があります。
大切なのは、「どれが正しいか」ではなく、動物の状態とご家族の希望に合った方法を選ぶことです。
当院では、治療効果だけでなく生活の質(QOL)も重視しながら、一緒に方針を考えていきます。
■ 外科手術(切除)
■ 外科切除(手術)
腫瘍を取り切ることができれば、最も根治に近づく治療です。
その際に重要になるのが「マージン(切除範囲)」です。
見えている腫瘍だけでなく、周囲の正常に見える組織も含めて切除することで、再発のリスクを下げることができます。
■ アクリジンオレンジ光線力学療法
手術で完全に取り切ることが難しいと予測される場合に行われる補助的な治療です。
腫瘍細胞に取り込まれる物質と光を利用し、残った腫瘍細胞へのダメージを狙います。
「不完全切除になりそうなケース」で選択されることがあります。
■ 放射線治療
■ 放射線治療
手術が難しい場所にある腫瘍や、手術後の再発予防として行われます。
また、腫瘍による痛みや症状を和らげる「緩和目的」で使用されることもあります。
体への負担を抑えながら局所をコントロールできる点が特徴です。
■ 適応
・手術が難しい部位(脳・鼻・口腔など)
・取り残しが疑われる場合
・痛みや出血のコントロール
■ 効果
腫瘍が小さくならないこともありますが、痛みの軽減や出血の改善など、生活の質を保つ効果が期待されます。
■ 副作用
局所的な皮膚炎や脱毛がみられることがありますが、多くは一時的で、全身への影響は比較的少ない治療です。
■ 麻酔
治療中は動かないようにするため、短時間の麻酔を行います。全身状態を評価したうえで、安全に配慮して実施します。
■ スケジュール
週に数回、数週間にわたって複数回行います。目的や腫瘍の種類により回数は異なります。
■ 体調管理
大きく体調を崩すことは多くありませんが、食欲や皮膚の変化などに注意し、異変があればご相談ください。
■ 化学療法(抗がん剤)とQOL
■ 抗がん剤治療の考え方
抗がん剤治療では、「延命」だけでなく生活の質(QOL)の維持を非常に重視します。
そのため、動物の状態に合わせて投与量や間隔を調整し、無理のない治療を行います。
■ 抗がん剤の副作用
副作用が全くないわけではありませんが、多くの場合はコントロール可能です。
人の抗がん剤治療と比べて、副作用が強く出にくいように設計されており、普段通りの生活を続けながら治療できるケースも多くあります。
■ 痛みの管理(疼痛管理)
■ 鎮痛剤の重要性
動物は痛みを隠す傾向があるため、「痛がっていない=痛くない」とは限りません。
適切な鎮痛を行うことで、食欲や活動性が改善し、生活の質が大きく向上します。
■ 非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)
痛みのコントロールに加えて、一部の腫瘍では増殖を抑える可能性が示唆されています。
ただし、副作用にも注意が必要なため、状態に応じた使用が重要です。
■ 食事・サプリメントとの付き合い方
■ 食事とサプリの位置づけ
食事やサプリメントは、あくまで生活の質(QOL)を支える補助的な役割です。
治療そのものを置き換えるものではなく、主治療を支える形で取り入れることが大切です。
■ 糖質制限について
腫瘍と糖質の関係が話題になることがありますが、極端な制限はおすすめできません。
栄養バランスを崩さない範囲で、「無理のない食事管理」を行うことが重要です。
食事は治療の“主役”ではなく、あくまで支える存在と考えるとよいでしょう。
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