
犬や猫の手術では、「どんな手術をするか」だけではなく、「どのように麻酔をかけ、安全に回復するか」も大切です。
避妊・去勢手術、しこりの切除、歯科処置、検査のための麻酔など、動物病院ではさまざまな場面で麻酔や手術を行います。しかし、すべての犬や猫に同じ方法が合うわけではありません。
年齢、体重、犬種や猫種、性格、持病、呼吸や心臓の状態、腎臓や肝臓の機能。こうした条件によって、麻酔方法や入院の必要性は変わります。
「高齢だから麻酔できない」「若いから安全」という単純なものでもありません。大切なのは、その動物の体調と、受ける処置の内容を合わせて考えることです。
麻酔では、ASA-PS分類という考え方を使い、現在の健康状態を評価します。また、麻酔中は心電図、血圧、酸素濃度、呼吸状態などを麻酔モニターで確認しながら管理します。
さらに、手術は「無事に終わること」だけが目的ではありません。痛みを減らすこと、麻酔からしっかり覚めること、帰宅後に穏やかに過ごせることも大切です。そのため、必要に応じて血液検査、レントゲン検査、点滴、痛み止め、入院管理などを組み合わせます。
日帰りできる手術もあります。一方で、術後の痛みや出血、麻酔からの回復状態によっては、入院して経過を見た方が安全な場合もあります。
麻酔や手術は、不安を感じやすい分野です。「本当に麻酔して大丈夫?」「高齢だけど手術できる?」「日帰りできる?」「術後は痛くない?」。そうした疑問について、できるだけわかりやすく説明していきます。
→ 避妊去勢手術
→ 日帰り手術は可能?
→ 15歳の犬で手術?麻酔リスクと判断基準
(緩和ケア)
→ ASA-PS分類 麻酔リスクの考え方
→ 麻酔モニターで何を見ている?
→ 麻酔から覚めるときに起きること